*約束期限*

*真衣side*



二月に入り、寒さがぐっと増した。

あたしのやっているテニスの冬季大会も終わり、落ち着いている。

そしてあと二週間後に控える…


「真衣!なに作るか決めたっ?」


そう。

女の子の一大イベント・バレンタイン。


「まだ~」

「向こうでみんな話してるし、いこーよ」


後ろの方に女子の軍団ができていて、みんなそれぞれ笑顔で話している。

今年は1個あげるのも増えるしな…

ばれないように微笑んで、席を立つ。


「あー美月と真衣おはよっ」

「おはよ~」


みんながこっちを向く。

そして、キラキラと視線を送られた。


「真衣は桜庭くんだもんねえ~」

「どんなにアピってもだめだったのに」

「羨ましいわあ」


きょとんとする。

…え、なんでみんな知ってるの!?


「あ。なんでって顔~」


ポニーテールを高く結んだすずちゃんがにこっと笑いかけてくる。


「この前抱き合ってたでしょ?写真流れちゃってるよっ」

「えええっ!?」


この前…桜庭くんと久しぶりに会った日だ。





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