*約束期限*
*瞬side*
久しぶりに学校に行くと、まず楠木と会った。
やっぱり心配してくれた。
「大丈夫?」って本当に焦った顔で聞いてくる。
…かわいいな、って。
きっと「明日死ぬ」なんて言ったら
たいていの奴は冗談だと思うはず。
だけど、きっとこの子は違うんだろうな。
いっぱい心配してくれるし
いっぱい悲しんでくれる。
…だからこの事は言えない。
「大丈夫。絶対悲しませない」
校舎に向かう後ろ姿に、俺は呟く。
最期が来るまで、きっと言えない。
――言いたくない。