*約束期限*
*瞬side*


HR前、俺は1-Cに行った。

ここは楠木のクラス。

昨日落として行ったキーホルダーを渡しに来た。


「桜庭くんだーっ!」


女子たちに見られる。いつも理由がわからない。

いい気分はしないけど、もう慣れてしまった。


「よっ、瞬!」


何人かサッカー部の奴らが声を掛けにきた。


「楠木いる?」

「あー、楠木?いるけど」


「楠木ーっ」と窓側へ声を掛けた。

深い茶色の髪が揺れ、こっちを向いた。

片手をあげる。

・・・が。


「え、え、桜庭くん!」


明らかに動揺と不愉快さを露にしている。
その様子を、ニヤニヤと見ているお団子の女子。

俺はひょいひょいと手を曲げた。

慌ててる様子に、可愛いと思ってしまった。





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