*約束期限*
*真衣side*
朝、あたしは教室の前である人を待ち伏せしていた。
8:20。
そろそろ来るはずなんだけど…
「あっ」
階段から二人のサッカー部員。
そのうちの一人に用がある。
「響くん!」
声を掛けてこっちを見た響くんは明らかにやっぱり、という顔をした。
「真衣ちゃん、一時間目サボれる?」
あたしはこくんとうなずいた。
屋上に続く階段の前に座り込む。
「さむっ」
「あ、これ使う?」
響くんは羽織っていたウィンドブレーカーを渡してくれた。
「ありがとっ」
着てみると、ふわっと甘い香りが広がった。
匂いまで性格のまんま!
「――で、瞬だよね。なんて聞いたの?」
「入院するって。しばらく連絡も取れないって…」
「それだけ?」
頷くと、響くんはははっと笑った。
「やっぱり。はい、これ」
ポケットから出てきたのは、一枚の紙だった。