*約束期限*

*真衣side*


教室に走り込み、急いでバッグを取る。

当たり前だけど、授業中。


「待て、どこ行くんだ!」

「親戚が入院したんですっ」


楠木、と叫ぶ先生の声が聞こえる。

出ていく時に涼介の声がした気がしたけど、そんなの気にしちゃいられない。





『瞬、ちっちゃい時から体弱くて。…脳に腫瘍みたいなのがあるんだって』

『腫瘍っ!?』

『そう。最近は安定してたんだけど…』




響くんの言葉を遮って、今に至る。

何も、頭には浮かんでこない。

悲しみを通り越してスッカラカンな状態。

…とりあえず、桜庭くんのところへ。


学校から走ってバスに乗り、揺られること15分。

中央病院に着いた。





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