*約束期限*
*真衣side*
家には誰もいない。
お母さんもお父さんも仕事だ。
「はい」
リビングのソファに座ったあたしに、涼介はタオルを差し出した。
それを受け取って、顔にあてる。
ゆっくりと時間をおいて、あたしは涼介に話した。
「瞬…あいつ、病気だったのか!?」
信じられない、という風に目を丸くする。
そうだよね…
全然見えないよね。
「誰にも言わないでね」
「わかってる。…それ、治るのか?」
「わかんないって。でも、今すぐ死ぬわけじゃないって…」
そっか、涼介は少し頬を緩めた。
…でも
本当は、そんなことないと思う。
気づいてるかな。桜庭くんは、嘘をつく時――
「まあ、さ。お前ひとりで溜め込むなよ」
「ん…」