*約束期限*
*真衣side*


桜庭くんが、手を曲げてあたしを呼ぶ。

めっちゃ見られてるよー!


「なんで・・・」


もう関わりたくなかったのに。

また訳の分からない鼓動が鳴り始めた。





「急にどうした、んですか?」


人通りの少ない廊下に場所を変えてもらい、話をする。


「これ」


桜庭くんは、見覚えのあるクマの人形を見せてきた。

それは、あたしのバッグいついてるものと同じ――


「もしかして!」

「昨日落としてたからさ」


あたしの手を掴んで、手のひらに乗っけてくれた。

ピンクの可愛いクマがハートを抱きしめている人形。


「あ、ありがと~!」


ペコっと頭を下げる。


「どういたしまして」


桜庭くんも頭を下げた。

そろそろかなと頭を上げると、ちょうどタイミングが被ってしまい、顔が近かった。


ドキドキと胸が高鳴る。


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