*約束期限*
*真衣side*
美月には隠し事をしたくなくて、桜庭くんのことを相談してしまいそうになる。
今だって、聞いてほしい。
だけど…
「ん?真衣、どしたの」
立ち止ったままのあたしに振り返る。
すぐにハッとして、首を振る。
やばい、涙出そう…
「…真衣」
「なっ、なにー?」
「辛い、寂しい、悲しい。あたしも一緒だよ」
作った笑顔がさらにひきつる。
美月はあたしを通り越し、窓の外を見つめる。
「こうやって髪切ってみても、諦められるわけないし。真衣とは悩みの大きさが違うかもしれないけど、同じ」
「ごめん、美月」
申し訳なくなって頭を下げると、慌てて否定された。
「…しょうがないのよ。涼介も、好きな人相手に同じ気持ちなんだし」
ふう、とため息をついて見つめるそれは
とても綺麗で切なかった。