*約束期限*
*真衣side*
こうして迎えた、27日午後三時。
特別枠のため、この試合に勝ったら決勝。
そしてこの試合結果が、夏への評価につながるのだ。
「ピ―――-ッ!」
試合開始のホイッスルが鳴った。
涼介はキャプテンらしく、あれこれと指示を出している。
ちっちゃい時とは、なにもかもが違っていた。
「涼介、かっこいいね」
「当たり前でしょ。あたしが好きなんだから」
美月は胸を張ってそう答えた。
だけどすぐ顔を赤くしてばつの悪い顔をした。
「だったら最初から言わなきゃいいのに~」
「うるさいッ!」
和やかムードなあたしたちとは裏腹に、フィールドでは危機的な状況だったらしい。
「ピピーッ」
ホイッスルが鳴り、あたしたちはぱっとそちらを向く。
歓声があがり、見ると相手チームに1点。
前半3分。
「うそ…」
いくらなんでも早すぎる。
そのあとも相手はどんどん点を入れ、前半終了。
あっという間に6点差。
「ねえ、真衣…これ、やばいんじゃない?」
スポーツに疎い美月があたしを横目で見てくる。
こくんと頷く。
それにしても涼介…
あんな苦しそうな表情、あの時以来だ。