*約束期限*
*真衣side*
嘘でしょ?
息が止まりそうになる。
立ち上がってそちらを見ると、ずっとずっと会いたかった顔――
「桜庭くんっ!」
真剣な顔が不意に振り返る。
こんなか細い声に気付いたわけがない。
がんばって。声に出そうとするが、ならない。
桜庭くんはいつもの笑顔で微笑んだ。
そして、すぐコートに視線を戻す。
すべてがスローモーションに思えた。
「間に合ったんだ…」
胸をなでおろすのと同時に、危機感を感じた。
こんなすぐに復帰できるわけない。
きっと桜庭くんは、チームのために――
「頑張って…」
「頑張って!」