料理部の私が手作りチョコを渡したら。


センパイの手を見ると大量のチョコ。

うつ向き、ぎゅっと、生チョコの入った袋を握る。
…もしかしたら、もうチョコいらないって言われるかな。

部活に入ってたときは彼女いなかったけど、今はどうなんだろう。


今さら、そんな想像で頭が埋め尽くされる。




「紗知?何考えてんの?」

ずっと黙っている私を不思議に思ったようで、センパイが私の頭をもう一度、ポンポンとする。


…この、優しくて、大きな手が私は好きだ。
落ち込んだときや、悲しいとき。

私がへこんでたり、悩んでたりするといつもこうして私を落ち着かせてくれる。


…うん、よし。考えるのはもうやめよう。
覚悟を決めろ、高山 紗知!

うつ向いていた顔をあげ、センパイに向かい合う



< 6 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop