料理部の私が手作りチョコを渡したら。
センパイの手を見ると大量のチョコ。
うつ向き、ぎゅっと、生チョコの入った袋を握る。
…もしかしたら、もうチョコいらないって言われるかな。
部活に入ってたときは彼女いなかったけど、今はどうなんだろう。
今さら、そんな想像で頭が埋め尽くされる。
「紗知?何考えてんの?」
ずっと黙っている私を不思議に思ったようで、センパイが私の頭をもう一度、ポンポンとする。
…この、優しくて、大きな手が私は好きだ。
落ち込んだときや、悲しいとき。
私がへこんでたり、悩んでたりするといつもこうして私を落ち着かせてくれる。
…うん、よし。考えるのはもうやめよう。
覚悟を決めろ、高山 紗知!
うつ向いていた顔をあげ、センパイに向かい合う