Do not Cry!!
正直、俺なりに必死な部分もあった

まぁ、和也を預けて救急車に乗るつもりはなかったが

心配じゃなかった訳ではない


和也が健康だって言われて安心した


それなのに、なんで俺はこんなに責められてるんだろ…


「しっかりしてくださいよお父さん」


しっかり…


シッカリシロ


シッカリ



頭のどこかで声が響いている。


わかってる

シッカリ

わかった

シッカリ

「わかってるさ!」

俺は頭の声を消すように
気付いたら大声をだしていた。


目の前の医者は
ポカンと口をあけていて。


「あ、いやその…ご迷惑かけました。」

俺は眠る和也を抱き上げ診察室を出た。

すると後ろから看護婦さんが追いかけて来て

「藤宮さん、これ」
看護婦さんは育児雑誌を俺に渡した

「藤宮さんまだお若いし、新米パパさんには色々大変な事もあると思いますが…皆さん失敗して学ぶんですから。
気を落とさず、頑張ってくださいね」

その看護婦さんは俺が医者に説教されてる間横にいた看護婦だった。

「…ありがとうございます」

俺が礼を言うと
看護婦さんは微笑み立ち去った

その後ろ姿は間違いなく白衣の天使だった。
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