私は脇役です(仮)
美姫side

私は今日から女子高生!

新品のチェックの入ったプリーツスカートに可愛いブレザー。
もう、制服にメロメロ!

まだ、少し肌寒い風を感じながら校門を一人でくぐる。

綺麗な桜並木にウットリしながらも、エスカレーター式の学校に高校からの入学で果たして友達ができるのか。

いや、絶対できる!つくる!
と前向きに考え、ズンズンと校舎に入る。

すごい人だかりの掲示板にすみませんと謝りつつ、人を押しのけかき分け、1-Aの最初のクラスに安達美姫という名前を見つける。

また、人を押しのけかき分け、掲示板から離れて教室に向かう。

ここの学校はすごく綺麗だなぁ。レンガのお城みたいな大きくて立派すぎる風貌。それに、少し丘の上にあるので、街のシンボルにもなっている。こんな学校で3年も過ごすと考えるととてもわくわくしてきた!

そうこうしているうちに、3階にある1-Aの教室のドアの前。

ドキドキしながら、ドアをあける。

教室にはもう生徒の半数はいるのだろうか。ガヤガヤと楽しそうに喋り声が聞こえる。

黒板には、『席は自由だ』と殴り書きされているため、空いてる席を探そうと振り返ると

ふと目に止まったのは、ものすごい可愛い女の子!

一人でぽつんと座って、読書をしている。

でも、やはりその伏せられた長い睫毛に小ぶりな鼻と口。華奢に見える長い手と足!黒い美しい髪を肩まで伸ばしている。

人形がいるのかと思って、見とれてしまった…。

友達になりたい…

右隣が空いているため、

『おはよう!はじめまして!私、安達美姫!隣いいかな?』

と声をかけた。

可愛い女の子は、ビクッと体を震わせ、こちらを見てその大きい目をさらに大きく見開いたと思うと、涙をポロポロ流しはじめた。

びっくりした。何か悪いこと言ったか心配になった。

『ご、ごめんなさい。イチゴポッキーあげる!!びっくりさせた?ごめんね?』

必死になって、私はわたわたし始めた。

すると、思いもよらない言葉を女の子が言い始めた。
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