弱くてごめんね……






それから私は母さんとちゃんと話し合って9月に家を出ることにした。


私は1月に受けて合格した芸能事務所に通うためと言い大阪に引っ越す準備を着々と始めた。


インターネットで物件を探し目星を付けていたところにメールを送った。



そうしながら私はこの家と母さんと離れる準備をしている。


母さんと離れるって思うと物件を探すのもバイトに行くのも楽しかった。



でも、母さんが時々口に出す、


『たっくん』


という名前に私は隠していた胸の痛みを感じた。



この痛みを隠すために働いたり遊んだりした。



そうすれば心の奥底にしまえるから……



『忘れた』って思い込めるから……





―――――――――――――――――――――





この頃から、もしかしたら私は癒しを求めていたのかもしれない。




私から別れを告げたのに……




なんて自分勝手なのだろう……





< 8 / 31 >

この作品をシェア

pagetop