ご懐妊‼ 新装版
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胎動騒ぎから数日。
その日、私は美保子さんとマタニティビクスの後、ごはんを食べて帰った。
美保子さんの御主人は出張、うちの御主人は接待飲みで遅くなるから。
妊婦だし、近所のトラットリアでごはんにしたので、それほど遅くならず帰宅したんだけど、
部屋に灯りがついているのが見えた。
あれ?
部長、先に帰ってる?
私が部屋に入ると、ダイニングテーブルで部長が突っ伏して寝ている。
テーブルには大好きなウィスキーとグラス。
溶けかけた氷。
ははぁ、接待飲みのスタートが早かったからな。
飲み足りなくて、帰宅後ひとり飲みですか。
酒好きあるあるだね~。
「部長、風邪ひくんで寝るならベッドに行ってください」
私はお向かいの席に座って、頬をテーブルにくっつけた。突っ伏した部長の顔を覗き込む。
「起きてくださいってば」