ご懐妊‼ 新装版
すると、ひくっひくっと規則的にお腹が動き出す。
外から見てもわかるくらい。

あ、これは……。


「お母さん、おばあちゃん、見てー!ポンちゃんがしゃっくりしてるー!」


「あらホント」


「懐かしいねぇ。60年も前だから忘れちゃってたよ」


二人はまた交互に私のお腹を撫でだした。


不思議。
私はお母さんから産まれた。
お母さんはおばあちゃんから産まれた。

ポンちゃんは私から産まれる。

不思議。

命の連鎖だ。
このいとおしい幸福。


産まれること。
産むこと。


ああ、すごくいとおしい。
きっとポンちゃんができなければ、こんな気持ち知らなかった。


私は母と祖母と、いつまでもお風呂に浸かっていたかった。
この四人の時間をじっくりと味わいたいと思った。



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