ご懐妊‼ 新装版
「でも、万が一かぶったらとか………考えないんだろうなぁ。あの天然母……」


「俺はお義母さんののんびりしたところ好きだぞ。天然くらい許してやれ」


そういえば、うちの母からはしょっちゅう荷物やら電話やらがくるけど、
部長のお母様からは電話も手紙もこない。

部長はあまり話したがらないけど、もしかして病気が相当悪いのかな。
それとも、本当は私たちの結婚をよく思ってなかったりして。
どちらにしろ、孫が産まれるわけだから、どこかでお会いしたいんだけどな。


私はそんなことを考えつつ、入院バッグを作り終えた。
二、三足りない物は追々揃えるとして、ひとまずバッグを玄関横の物入れにしまう。
いざ、病院!となった時に持ち出しやすいようにね。


「はー、あとは出産を待つばかり!……ってあと2ヶ月以上ありますけどね」


「なんか、おまえ遠足前の小学生みたいだぞ」


「うーん、ワクワク度は近いかもしれないです」


同時に恐怖もひたひたと近付いてくる気がする。

あー、気分だけいよいよな感じ!
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