ご懐妊‼ 新装版
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その晩、23時近くに部長が帰ってきた。


「ごはん、何か作りますか?」


「いやいい。おまえも起きて待ってなくていいんだぞ。腹もでかくなって疲れやすいだろう」


私は首を横に振り、お茶を淹れるために電気ポットのスイッチを入れた。
二人分のほうじ茶を用意するとソファにつく。

上着をかけ、部長が私の隣に座った。


「今日は暑いな」


「初夏って感じになってきましたね。窓、開けましょうか?」


「いーから、チョコチョコ動くな。のんびりしてろ」


部長は押し留めるように私のお腹に手を当てると、そのまま撫ではじめた。
ポンちゃんが気配を察したのか、キックで応戦する。


「おー、元気だな。ポン」


部長が微笑む。

良いタイミングかもしれない。

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