ご懐妊‼ 新装版
私が後ろを振り向くと、部長が言った。


「今日の夕食は俺が作るからな。おまえはみなみとのんびりしてろ」


おお!
ほらきたサプライズ!!

でも、部長、まだ午前中ですよ。
今から準備するの?


パンで軽く昼食にすると、部長は早々夕食作りに取り掛かった。

私はみなみに授乳するとやることがなくなる。
今日はどうにも手伝わせてくれないムードだ。


「みなみ、パパ頑張ってるよ」


みなみは私の腕の中でスヤスヤ寝ている。
そっとみなみをリビングのベビーベッドに寝かせると、私も猛烈に眠くなってきた。

キッチンからは部長が何かを切る音。リズミカルではないものの、その音は、子どもの頃を思い出させた。
学校から帰ってきて、宿題を済ませて転がっていると、キッチンから聞こえる母の調理の音。

料理の音は家庭の音。
すごく安心する。
私はソファでウトウトとうたた寝をしてしまった。
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