君とみた海~sea a love song*~
うたかた***
ただ、何も、
言葉は発せなかった。
菜奈はもう、次なるステージに
気持ちが向いているのだ。
あの頃に縋っているのは
僕だけだったのだ。
そう思うと途端に苦しくなった。
少し前まで
また、君に出会えるって
喜んでいたのに。
少し前まで
また、君と笑い合えるって
信じてたいたのに。
君にはもう、
大切な人がいるんだ。
「あ、海さん…
こちらへどうぞ」
どこからか、スタッフの人が来て、
僕を誘導し出した。