君とみた海~sea a love song*~
「分かっているんだよ。
僕だって、でも菜奈と目が合うことはなかった。
ずっと、見つめていたのに、菜奈は一度も僕を見なかった。
それが現実なんだよ。きっと…」
「そんなの言い訳じゃん!
話しかければ変わるかもしれないのに!」
如月の言っていることは分かるよ。
僕だって、そうしたかった。
したかったけど、出来ないよ。
君の横には笑顔のあのプロデューサー。
君の笑顔を独り占めしていた。
話す機会もあったのに、
菜奈は断ったらしい。
僕は自分から話しに行ける立場に
あの中ではなかったんだよ。
そして、何より。
二人には言えないけど、
最後にプロデューサーが言った言葉が
頭の中をぐるぐるして、
どうしても、抜け出せないんだ。