美術部ってさ!2
「ふ〜ん…ますます何の差なんだろうな?」

椿がそう呟いた時、椿の頭の上にずしりと組んだ腕がのしかかった。

「…あれじゃないの?『念』みたいなヤツ?が作品に入っているか、入ってないかの差?」

「おもっ…先生、重いですよ!」

「ああ、なるほど…」

冬馬がポンと手を叩く横で、秋山の目が輝いた。

「あ、先生、さすが年の功!」

突然現れた美術部顧問の榎本は、椿の頭の上で右手を挙げると、それに答えた。

椿は榎本の腕をはらってふり向くと、ニヤニヤ顔の榎本が立っていた。

秋山は嬉しそうに榎本の隣に来ると、腕をからめた。

「秋山やめろ…オレを退職に追いやりたくなければ、こーゆー事すんじゃないよ…教師なんてやめとけ、やめとけ…」

榎本は組まれた腕をやんわりとはずすと、冬馬の絵をのぞき込んだ。
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