桜の花の木のしたで
………。


こんなこと言うつもりはなかったのに……。



「………っ…ぐすんっ……。」


次第に涙が出る。



私は幼いときあの男に出会ってから絶対人前で泣かないようにした。


なのになぜか柏木君に裏切られた気がして……。

(柏木君は全く悪くないのに……。)



私は誰かに見られてはいけないと必死に涙を拭く。



「あっ!舞香ちゃんじゃん!おぉぉぉおおい!!!!!」


突進してきたのは……



「真紘先輩………。はぁ…。」


「えぇ、ため息はねぇだろ?」


真紘先輩だった。


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