満月~full moon~



───直後、人が落ちた音がした。


何が起きているのか理解が出来ず、耳を塞ぐ暇さえなかった。

あたしは、ボー然とその場へ座り込む。



「なんで?
なんで……最後に恭介がそんなことを言うの……?」



独り言のように、そう呟く。

そんな質問をしたところで、誰もいないのだから答えなんて返ってくるはずもない。

その言葉は、風と共にむなしく流れていった。




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