満月~full moon~
「今回の犯人は、私が黒幕だって知っている。
恭介が伝えているから。
だから、じっとしていてもいずれ殺される運命……。
それどころか今日、殺されるんだから」
なぜ今日、殺されると断言出来るか分からないけど、ようやく気づいた。
お姉ちゃんは、自ら終わらせるつもりなんだ!
「嫌だっ!
お姉ちゃん、ダメだよっ」
私は、お姉ちゃんの腕を掴んで必死で止める。
だけど、お姉ちゃんは首を横に振る。
「自分でやったことには、自分でケリをつけるよ……」
「お姉ちゃん!」
止めたいけど、止めれる訳がなかった。
お姉ちゃんの瞳は、覚悟を決めたかのように光っていた。
いくら最低なことをしたと言っても、ケリのつけ方は他にもあるはずなのに。