満月~full moon~



そう思ったところで、はっとした。

何で、1人で残してしまったのだろう。

さっき言ったじゃない。

自分でケリをつけると。

それなのに、何で目を離したりしたのだろう。


私は、急いでお姉ちゃんのとこへ戻った。

彼に構わず、家の中を走った。

そして、お姉ちゃんの部屋のドアを開けた。

そこには、うなだれたように椅子に座っているお姉ちゃんの姿があった。

その足下には、コップが落ちていた。



「お姉ちゃんっ!!」



何度も揺するけど、起きる気配はない。



「毒か……」



そう言ったのは、さっき玄関にいた彼だった。

足下に落ちていたコップを拾い、中を見ていた。




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