満月~full moon~



「俺だけじゃない。もう1人いるよ」



陸さんを見て、驚きで声が出ない彼女。

そんな彼女をほっといて、陸さんは私の手を引っ張り、彼女と対面した。



「え、絵美さん……!」



私の顔を見て、また驚いている。

だけど、ちゃんと私の名前を呼んだということは間違いないんだ。



「美月ちゃん……」



呟くように、彼女の名前を呼ぶ。


そう、そこにいたのは、同じ会社で働いている優秀な後輩、赤石美月だった。



「何で、絵美さんがここに?
何で、陸がいるの……?」



今度は、美月ちゃんの方が状況を把握出来なくて、狼狽えている。




< 125 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop