満月~full moon~
そう言った瞬間、美月ちゃんはその場で立ち上がり、フェンスの方へ走った。
そして、フェンスによじ登ろうとしていた。
それを見て、私も陸さんも急いでフェンスの方へ向かった。
「美月ちゃん!」
「由佳!何、やってんだっ」
2人で美月ちゃんを止めようと引っ張る。
それでも、美月ちゃんは登ろうとする。
「離してっ!
もう、あたしは終わりだから。お姉ちゃんの元へ行くの!」
陸さんの言葉で全てを知られたと思った美月ちゃんは、ここから飛び降りるつもりだったらしい。
けれど、男の力にはかなわず、結局陸さんに止められた。
「バカなことはやめろっ」