満月~full moon~
そんな智子に、おどおどしながら答える。
新人だから、主任である智子は怖い存在らしい。
「どういうこと!?
もー、イイ歳なんだからしっかりして欲しいわ」
呆れたように言う。
そこへ、1人が割って入ってきた。
「主任、今日あたし外回りするので、様子を見て来ましょうか?」
それは、智子の直属の部下である赤石美月だった。
この会社に入って3年目。
しっかりしていて、智子も頼りにしている1人だ。
「だけど、そんなの悪いわ」
「大丈夫です。
ちょうど、浅見さんちの近くを通りますから」
そう美月が返すけど、それでも少し考えた。