満月~full moon~



だから、心配だった。

何かあったんじゃないかと。

それがあったから、誰もが必要以上に気にして、様子を確認すると言ったのだ。




智子に頼まれた美月は、予定より早く会社を出て陽子の家へ向かった。

何度か来ていたので、場所も知っていた。


着いてすぐに、インターホンを鳴らす。

そして、少し待ってみる。


だけど、全然出て来ない。

もう1度鳴らすけど、同じこと。

試しにドアノブを回してみるけど、鍵が閉まっていた。

携帯に電話したら、家の中から音が聴こえた。

インターホンも携帯も鳴らすけど、物音一つしない。


なんだか、様子がおかしい。

心配になって、大家さんに事情を説明後、鍵を開けてもらった。




< 23 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop