満月~full moon~
これが正しいのか、正直分からない。
だけど、コレしかないから。
オレらが恨まれる理由は。
イヤ、恨むのも見当違いな話しだけど。
それから、少し話しをして電話を切った。
そして、すぐに恭介に電話して、同じ話しをした。
『美佳のことで?』
恭介も、10年経ったことを今更って感じで、半信半疑だ。
「確かに今更なんだけど、それしか考えられねぇんだよ」
『それもそうか。
でも、俺は分からない。美佳の家族が今も残っているのか』
「やっぱり、そうだよな」
オレらは、特別仲良かった訳じゃねぇから、何も分からない。
「とにかく、手分けして探さねぇ?
志保には言っといたから」