満月~full moon~
2人になってしまったアタシと恭介は、なるべく一緒にいた。
次はどちらかが殺されると、2人とも覚悟していたから。
でも、簡単には殺されたくない。
だから、常に誰かと一緒にいることを心がけた。
仕事中も、1人にならないように気をつけた。
家に帰ってからも鍵は全部締めて、寝る時以外は携帯を通話中にしていた。
もちろん、相手は恭介だ。
何かあったらすぐに行けるように。
それでも、気は抜けない。
命を狙われている上に、警察にマークされている。
警察は、アタシを犯人だと思ってマークしている。
それは、アタシにとって安心かもしれないけど、四六時中見張っている訳ではない。
誰も守ってはくれない。
自分で出来る限りのことは、やらなくてはいけない。