満月~full moon~



『気をつけろよ。
次、どっちが殺されてもおかしくないんだから』



そう言って話を終え、通話中のまま携帯をテーブルに置いた。


恭介の言葉は、おどしに聴こえる。


でも、分かっている。

今のアタシたちの立場は、相当危ないってことは。


それでも、簡単に殺される訳にはいかない。

アタシがやられる時は、何かしら証拠を残してやる。


だけど、そんなことより生き残ることを考えないといけない。

そう、殺されるより先に犯人を探せば生き残れる。

少しずつ確実に犯人に近づいているのであれば、怖がらずに真相を掴むんだ。



翌日、1人で大知のお墓に行って誓った。



「必ず、みんなの仇を討つよ」




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