満月~full moon~
大知のお墓の前で、手を合わせて目を閉じ、何度も誓った。
偶然にも、今回亡くなった3人のお墓もここにある。
これなら3人も大知も寂しくない。
これ以上、殺されないためにも、大切な仲間のためにも……。
そう願ってから、目を開けた。
「あれ?」
目を開けた先に写ったのは、陽子のお墓の前に立つ女性。
アタシより若そうな子だけど、初めて見る子だ。
彼女も真剣な表情で祈っていた。
陽子の知り合いだろうか。
アタシは、ゆっくり歩いて陽子のお墓のとこまで行く。
「ねぇ、浅見陽子の知り合い?」
そして、女性に話しかけた。