満月~full moon~
そうしたら、何かしらのヒントが得られるかもしれない。
それを、期待したんだ。
それと、早めに恭介とも逢わせようと思った。
そんな2人の様子をお墓に隠れながら、1人の男性が見ていた。
「赤石、美月……?なんで?」
そんなことを呟いていた彼の表情は、驚きと戸惑いが入り交じっていた。
そして、ずっと、“何で”と呟き続けていた。
その彼のことは、志保も美月も気づかなかった。
美月ちゃんに陽子のことを聴いて以来、より一層犯人探しに力を入れた。
自分自身が、本当に許せなかったから。
そして、美月ちゃんとはよく連絡を取った。
逢うことは難しかったけど、電話で話していた。