満月~full moon~



何気なく、美月ちゃんがそう聴いてきた。


だけど、何も答えられない。

原因が分かっていると言えば、分かっている。

ただ、関係ない人にコレは言えない。

アタシの過去を全て話さないといけなくなる。

それは、出来るだけ避けたい。


そう考えていたら、黙り込んでしまっていた。


そんな中、美月ちゃんが話し出した。



『原因、分かっていそうですね』



ため息混じりに美月ちゃんが言う。

それにアタシは、答えることが出来なかった。



『志保さん以外に、まだ仲間がおられますか?』


「いるよ、恭介って男がいる。
美月ちゃんのことも話した」



そのことは、即答した。




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