満月~full moon~



そう思った時、背中を刺していたナイフが抜かれた。

抜かれた瞬間、真っ赤な血が飛び散った。

その反動で、アタシは倒れ込んだ。



「お姉ちゃんが、あんたの彼氏を寝取るはずがない」



彼女のその言葉には驚いた。

彼女は、全てを知っているんだ。



「ちゃんと調べもせず、お姉ちゃんを殺した。
なのに、よく何もなかったかのように生きれるね!?」



調べた、ちゃんと調べたんだ。

調べた結果、美佳にたどり着いた。


そう言いたいけど、もう思うように口が動かなくなっていた。



「あたしは、あんたらがお姉ちゃんを殺す現場を見たの」




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