満月~full moon~
意識も途切れ途切れになってきた。
凄くもどかしい。
何も出来ないのが悔しい。
だけどもう、何も考えられない。
彼女にも、何も言うことが出来ない。
恭介……
ごめん……。
そう思った時、完全に意識を手放した。
その状態を確認した彼女は、志保を見つめ呟いた。
「やっと、コイツをこの手で殺せた。
念願が叶ったんだ。
残りは1人。
もうすぐで終わるよ、お姉ちゃん……」
鋭い視線で口元だけ笑っていた。
その後、ナイフの指紋を拭き取り、服を着替え、部屋を出ようとした。
そのとたん、志保の携帯が鳴った。