満月~full moon~



そんな表情に気付き、男性は慌てて言った。



「あっ、星野恭介。
志保の仲間なんだけど……」



そう名乗って、ようやく警戒心が解けたのか、2人して「あー」とか言って納得している。


美月に逢うのは、今日が初めてだった。

だけど、すぐに分かった。

“優しい眼差しとふんわりした笑顔”と、志保から聴いていたから。



「改めて、赤石美月です。
ところで、なぜ恭介さんがここにいるんですか?」



不思議そうに聴く美月に、俺の方が首を傾げてしまう。

話しが上手く伝わっていないらしい。



「志保が今日、美月に逢うから一緒に逢おうって」


「そうだったんですか。
あっ、ちょうどいいです!」




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