満月~full moon~
連絡が取れないと分かった時点で、この結末になることは分かっていた。
だけど、実際目にすると、信じることが出来なかった。
女性2人が震える中、俺はなんとか体を動かして警察を呼んだりした。
その後、憔悴している俺らをよそに、しつこいぐらい尋問を受けた。
それが終わった頃には、疲れて何も出来なくなった。
美月たちも、完全に巻き込まれた形で申し訳ないと思った。
でも今の俺には、それを気にかけている余裕はなかった。
家に帰ったとたん、ぐったりしてしまった。
何もやりたくないし、考えたくもない。
それでも、事件のことは頭を駆け巡る。
まさか、志保までがこんなに簡単に殺させるとは思わなかった。
ずっと、注意しろと言い続けたはずなのに。