満月~full moon~
やっぱり、彼女も関係者なだけあって、気になっているらしい。
「あなたの醜い嫉妬のせいで、美佳を殺した。
そして、今は殺される側になってしまった」
『私のせいじゃないわっ。
全て美佳が悪いのよっ!』
俺の言葉にカッとなって、声が大きくなった。
電話しているのだから、耳に響く。
「だけど、たかが嫉妬。美佳と2人でやり合えば良かったこと。
なのに、関係ない大知を利用して志保を動かした」
『……っ』
彼女は言葉を詰まらせた。
反論が出来ないのは、当たり前のことだ。
全て本当のことだから。
そして、元々殺されなければいけないのはこの女だけだから。