満月~full moon~
本当に、事故なのだろうか。
パニックになっている私は、ひたすら叫び続けることしか出来ない。
「次は、あなた」
必死に叫んでいる私に向かって、そんな声がした。
それと、鋭い視線も感じた。
すぐに後ろを振り返るけど、誰1人として私を見ていない。
みんな、倒れている亜弥を見ている。
気のせいかと思ったけど、違う。
気のせいではない。
鋭い視線を、今でも感じるから。
短い言葉だったけど、女性だったような気がする。
それに、聴き覚えのあるような声だった。
“次は、あなた”と言っていた気がする。
次は、私が亜弥みたいになるということだろうか。
亜弥は、事故ではないのだろうか。