まーが生きた証。

「今日は、
新学期も始まったと言う事で

席替えでもしようか!」


先生のその言葉にみんなが
喜ぶ、喜ぶ。

あたしはそこまで
席替えが好きではない。

席を動かすのが面倒だから。

細かい事を言うと、
机を動かす時、ひこずった時の

キィー、という音が嫌い。

あれを聞いたら寒気がしてくる。

だから席が変わったり
隣が変わったりするのは嬉しくても

音のことを考えれば
席替えは好んでしようと思わない。

正直、先生に席替えを頼むことがよく分からなかった。


男子が最初に引きに行った。
引いた男子から次々と名前プレートを黒板の座席表に貼っていく。

女子の番になり、
あたしの番になった。

先生が持っているクジを1つ引く。

あたしが引いたのは…


11番。


隣を見てみると…




「真樹…くん…」


ぼそっとつぶやいた。

いや、
つぶやかずにはいられなかった。


初めて席替えを最高だと思った。

初めて自分のくじ運の良さを褒めた。




今考えたら
あたしはきっと

あの頃から君が好きなんだ。


隣になれただけで嬉しくて、

仲良くなれると思ったら
もっとワクワクしてきて…


完全にこの頃から君に溺れてた。
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