シャッフル
 ビーズをじっと見つめる紗代里を不思議に思って見ていると、ゆっくり顔をあげ紗代里は俺を見た。

「これ……誰かに貰ったの?」

「ああ。小学生の頃にな」

「そう……。ねぇその子の名前は覚えてる?」

「いや、覚えてるも何も元々知らない子だったから分からない」

 そう言うと、紗代里は驚いた顔をした。

「え?知らない……?」

「ああ。でも貰った時の事はよく覚えてる……」

 コーヒーを一口飲むと紗代里が持っているビーズに目を向けた。
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