シャッフル
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「常務。一昨日、いいバー見つけたんですよ。良かったら今日飲みに行きませんか?」
仕事が終わると、片付けをしながら秘書の森岡が話しかけてきた。
「ああ。久しぶりにいいな。案内してくれ」
「はい」
笑顔で頷く森岡。幼さが少し残る顔は、女子社員から可愛いと人気がある。
また、歳が近いと言う事もあり、俺が会社で唯一心を開ける相手だ。
大学卒業するとすぐに父の会社に入社、新入社員として入るも5年程かけて一通り部署を廻ると跡継ぎの俺はあっという間に幹部になった。
いきなり年下上司が現れたんだ。いくら「社長の息子」でも、従来から在籍している奴等からすると面白くないのだろう。
彼等は俺の前ではペコペコするも、影で悪口を言っているのを知っている。
要は羨ましいんだろ。妬みだ。
そんなだから、彼等とは未だに少しヨソヨソしい。だが、秘書の森岡は俺を「社長の息子」としてではなく、仕事幹部の常務として見てくれる。ちゃんと俺を見てくれる。コイツだけは他の奴等とは違う。
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「常務。一昨日、いいバー見つけたんですよ。良かったら今日飲みに行きませんか?」
仕事が終わると、片付けをしながら秘書の森岡が話しかけてきた。
「ああ。久しぶりにいいな。案内してくれ」
「はい」
笑顔で頷く森岡。幼さが少し残る顔は、女子社員から可愛いと人気がある。
また、歳が近いと言う事もあり、俺が会社で唯一心を開ける相手だ。
大学卒業するとすぐに父の会社に入社、新入社員として入るも5年程かけて一通り部署を廻ると跡継ぎの俺はあっという間に幹部になった。
いきなり年下上司が現れたんだ。いくら「社長の息子」でも、従来から在籍している奴等からすると面白くないのだろう。
彼等は俺の前ではペコペコするも、影で悪口を言っているのを知っている。
要は羨ましいんだろ。妬みだ。
そんなだから、彼等とは未だに少しヨソヨソしい。だが、秘書の森岡は俺を「社長の息子」としてではなく、仕事幹部の常務として見てくれる。ちゃんと俺を見てくれる。コイツだけは他の奴等とは違う。