シャッフル
 早足で焼却炉に向かっていたスピードが徐々に落ちていく――。

 あれって……先月隣のクラスに転校してきた奴じゃないか?

 足を止め、少し離れた所で女子生徒の様子を伺う。

 やっぱり合ってる。ノッポだ。

 オカッパ頭に小学3年生とは思えない程の高身長。クラスでも高い方の俺なのに、それより頭一個分も高い。

 だからノッポとあだ名が付いている。と言っても、クラスも違うし名前も知らないから、みんながそう呼んでるのを聞いた事があるだけだったのだが……。

 あいつ何やってんだ?

 ただボーと焼却炉の中で燃え上が炎を見つめている。

 いつまで経っても動かないノッポ。

 仕方なく止めていた足を動かして近づいていった。

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