シャッフル
「……深い意味はないのね……」

 独り言の様にボソッと紗代里が呟いた。

「なにが?」

「ううん!何でもない!はい、携帯返すね」

 笑いながら慌てて言うと、紗代里は俺の前に携帯を置いた。

 そんな様子を不思議に思いながらも、紗代里が音楽の話題に話を変えたのでそれから二人で音楽の話をして過ごした――。

――――――――――
――――――

「もう5時ね。帰らなきゃ」

 紗代里は腕時計を見ると身支度を始めだした。

「送って行くよ」

「いいの?」

「ああ、車で来たから」

「ありがとう」

 紗代里は嬉しそうに笑った。

 二人でカフェを出ると、駐車場に止めた俺の車へ向かった。
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