シャッフル
 弟達は俺と違って好きな事に関しても友達も勉強も遊びも、何も言われず育てられた。

 俺には全ての事を強要してきたのに……。

 だから弟達が羨ましくもあった。そして妬ましくもあった――。

 いつしか弟達が居るから俺が苦しいんだと思うようになった……。直も雅も嫌いだと思う様になっていった……。

「遠也?早く上がったら?お茶入れてあげるわね」

「……ああ、ありがとう」

 母に催促され家に上がった。

「今日泊まっていくでしょ?」

「いや、夕方には帰るよ。明日は予定あるんだ」

 そう言うと、母が入れてくれたお茶を飲む。

「そう……」

 寂しそうに母は呟く。

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