シャッフル
「もしかして……、その偶然から運命感じてノッポと付き合ってますとか?」

 ビールを片手にニヤニヤしながら澤田が聞いてきた。

「付き合ってない。紗代里とはいい友達なんだ」

「紗代里……?」

 ニヤニヤしていた顔が急に真顔になる。

「あだ名で呼んでたから名前覚えてないのか?」

「……そんな名前だったっけ?」

 澤田は眉間シワを寄せて腕を組み考え込む。

「本当に覚えてないんだな……安達だよ。安達 紗代里」

 俺がそう言うと、考え込んだまま澤田が口を開いた。

「……違う。そんな名前じゃなかった気がする」

「え?それはお前が覚えてないだけだろ?」
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