君のためにできること

そしてその後は結局、口をきかないまま終わってしまった。

何でこんなことになったんだろ。

今日は災難だわ。

私は誰もいなくなった教室で、ひとりボーッとしていた。

机に頭をくっつけて、ぐずぐずしていると、いつの間にか睡魔が襲ってきて、私は眠り込んでしまった。

「おーい、吉野！吉野、起きろよ！」

「んあ？」

「んあじゃねぇ！もう19時半だぞ！」

大きく揺さぶられたのと、私を起こす声とで、ようやく私は目を覚ました。

「あー・・・三芳くん、どうしたの？」

「あーのーなー。それはオレが聞きたいよ。今部活が終わって、教室に荷物取りにきてみたらさ、吉野が寝てるし。オマエ、ずっとここで寝てたのか？もう外、真っ暗だぞ？」

「ん〜〜〜〜。まだ眠いー・・・。」

そしてまた目をつぶる私に、

「おーいおい！寝るのは帰ってからにしろって！もう遅いし、オレ送るから。ほら、帰ろうぜ。」

と、三芳くんは私の荷物を持つと、私を引っ張った。

「あ、私起きた！もうちゃんと、目覚めたから大丈夫！一人で帰れます！」

「いいや、送るって！これでもし、吉野に何かあったらオレの責任だし。な？」